志望校選択の基本は、受験生本人が、「やりたいこと」を意識して、それがかなう大学を選ぶことです。やりたいことは漠然とでかまいません。
今は、いい大学に入ったからといってすぐに就職できるというわけではありません。少しでもやりたいことなら、大学入学後もきっとがんばれるはずです。
大学の情報が掲載されていサイトで検索してみるのもいいかもしれません。大学名だけでなく、資格や勉強できる内容でも検索できますから、思わぬ大学との出会いがあるかもしれません。
もちろん各大学のホームページをのぞいてみましょう。大学のホームページには、受験案内だけでなく、学科内容、学生生活、トピックスなどたいていの情報は手に入ります。
シラバスと呼ばれる授業計画書を掲載している学校もあるので、チェックしておきましょう。
オープンキャンパスは、入学希望者を対象として、大学などが行う説明会や学校見学会のことです。
模擬授業、在学生による見学ツアーなどを催す学校もあります。現在では、国公立、私立とわずほとんどの大学で実施されています。特に、AO入試を考えている場合、オープンキャンパスへの参加が強く推奨されています。
受験生にとっては志望する大学を自分の目で見て確かめることのできる数少ないチャンスです。大学の何を知りたいのか、在校生に聞いてみたいことなど確認事項を整理してから準備して行きましょう。
仕事・資格と直結の学部をいくつかあげてみましょう。
医師、看護士、薬剤師などは所定の学部・学科を卒業しなければ国家試験を受けられません。特に「薬剤師は就職に強い」というイメージから薬学部を目指す受験生は増えています。
社会福祉士(ソーシャルワーカー)は、大学以外でも資格は取れますが、福祉系学科で指定科目を修めると卒業と同時に受験資格が得られます。管理栄養士も同様です。小・中学校教諭は通信教育という方法もありますが、大学の教員養成課程を卒業すれば1種免許が取得できます。
大学に進学する時点で、特に希望する職業がない場合は、どうでしょうか。
ビジネスマンになるのならば、法律、経済、経営などの学部が無難といえます。
現在では、学部・学科と就職先に大きな相関関係は見られないのが実情です。学部では幅広い教養教育を、専門的な教育は大学院でという流れになりつつあります。
大学入学時に、就職を考えて興味のない学部・学科に行く必要はないようです。
文系学部といえば、文学部、法学部、経済学部、外国語学部など・・・という時代ではないようです。
大学案内を見ても、「国際」、「人間」、「文化」、「環境」、「情報」、「政策」、「総合」、「福祉」・・・見ただけでは、内容を想像できないような名前の学部・学科も増えています。
さまざまな領域が重なり合う現代社会を、読み解こうとするために複数領域にまたいだ内容の学部・学科にした結果、「総合人間学科」「国際政策文化学科」などの名前になったようです。
文系も、教室の中だけで学ぶだけでなく、より実践、実学的なものが求められる時代になりました。
理系といえば、工学部、理学部、薬学部、医学部、歯学部、獣医学部、農学部です。
理系の大学に進学したからといって、すぐに就職につながるというわけではないようです。現在、理系の学部・学科では、大学4年間で基礎知識を、専門的な勉強は大学院で、というパターンになっています。
学部卒では、理系技術・研究職への就職は難しく、専門性を生かした仕事に就けるのは修士課程終了が最低ラインといわれています。
ほとんどの大学・短大でなんらかの形で海外留学や海外研修の制度が導入されています。しかしその内容はさまざまのようです。志望校選びの検討材料の一つとつとして考えてみるものいいかもしれません。
短期研修
夏休みや冬休みを利用した2~3週間程度。ホームステイすることも多い。
現地研修
海外にある大学施設を拠点に1ヵ月程度、地域研究や語学研修を行う。
講義の一環や必修単位として語学系・国際関係系の学部ではよく行われている。
長期留学
期間は最低でも1年。厳しい学内選考をパスして、海外の姉妹校や提携校へ。最近は、欧米だけでなく中国や韓国などへの留学者も増加している。